「連結決算って何?」
「連結決算システムのメリットが知りたい」
「連結財務諸表について詳しく知りたい」

連結決算とは、親会社がグループ企業全体の財務数値を把握する決算方法です。
グループ全体を1つの会社に見立てるのが特徴となっており、ベースとなる親会社の財務諸表に子会社の情報を組み込み、さらに相互の取引を差し引いて作成されます。

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連結決算のメリット

連結決算は大企業や中小企業のいずれにもメリットがあります。
大企業の場合は、多くの子会社を抱えることから不明瞭になりがちな財務諸表を総合的に把握できるため、経営健全化に貢献します。
特にグループ内子会社間で起こり得る架空取引などを防止できるので、株式市場や投資家などへのコンプライアンスにも役立ちます。
中小企業の場合は財務状況を総合的に把握することで金融機関からの融資を受けやすくなります。
金融機関は融資の際に親会社や子会社の取引き内容を調査しますが、連結決算をしていれば財務状態をスムーズに把握しやすくなり、融資審査を迅速化を目指せます。

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連結決算は大変な手間がかかる

良いことばかりの連結決算ですが、財務諸表を作成するためにそれぞれの子会社の決算資料を集めて合算したり、内部取引の場合は相殺しなければならないので大変な手間がかかります。
また監査法人による監査を受けることで、連結決算内容の正確さを担保します。
基本的に親会社の財務諸表に子会社の情報を組み込むだけなので単純作業が中心となっていますが、子会社の数が多くなるほど手間がかかることでしょう。
単純作業であっても正確さや整合性を求められるので、収集した情報のチェック、異常な数値を発見した際の子会社への確認や修正依頼なども行わなければならず、担当者の負担は極めて大きなものがあります。

連結決算システムとは

そんな連結決算をスムーズにするのが、連結決算システムです。
親会社と子会社の膨大な情報を処理して連結財務諸表を効率的に作成する機能を備えており、担当者の負担を大幅に軽減します。
具体的にはグループ会社の財務諸表の収集と合算に加えて連結調整仕分けを行いますが、この工程を全自動で行います。
また収集された情報を自動的に精査しているため異常な数値も発見できる他、それらの情報を一目でわかるように知らせてくれます。
そのため子会社などへの確認や修正依頼といった手続きもスムーズになり、担当者の負担を大幅に軽減します。

連結決算システムの利用について

連結決算システムを利用するには、対象となるグループ会社全ての会計情報と内部取引データをExcelにより記帳して保存しておきます。
また社内ネットワークを通じて情報を収集できる体制を構築しておくことで、収集・合算・精査などを自動的に行います。
合算ではグループ内取引の相殺消去や仕分けも自動的に処理していくため、連結決算におけるミス発生リスクを大幅に低減できます。

作業が完了すると連結財務諸表として出力される

作業が完了すると連結財務諸表として出力されます。
連結決算システムでは調整前・修正後の連結財務諸表の出力も可能になっており、修正前の誤りをチェックしやすくなっています。
さらにデータを保存できるため、過去の連結決算財務諸表とまとめて一元管理できる他、検索機能を搭載しているので必要な情報を簡単に索引により確認しやすく比較にも利用してもらえます。

連結決算システムの機能について

連結決算システムの機能についても紹介しておきましょう。
まず連結財務諸表を構成する連結賃借対照表・連結損益計算書、連結キャッシュフロー計算書・連結株主資本等変動計算書を作成機能があります。
また連結予算作成機能を搭載したものの中には、単体予算や前年度実績に基づいて連結予算を作成することも可能です。
加えて子会社からの情報収集と精査と異常数値のお知らせ機能、グループ内の特定企業のみを指定した範囲連結、子会社と孫会社のみを対象としたサブ連結もあります。

外国を拠点とする子会社や関連会社を連結対象とする場合

さらに外国を拠点とする子会社や関連会社を連結対象とする場合は多言語・外国通貨・為替レートに対応したものも登場しており、連結決算に合わせ情報収集と合算、相殺処理と仕分けや精査と同時にリアルタイムで円換算します。
これにより担当者は、様々な負担から解放されるだけでなく、より正確に整合性ある連結決算にできます。
また海外に拠点のある企業の場合は、国際会計基準(IFRS)対応したものを利用すると株式市場や投資家の信頼への適切な情報提供に役立つことでしょう。

連結決算システムを選ぶポイント

連結決算システムを選ぶときは、業務形態や子会社の数がポイントになります。
自社にとって必要な機能を見極めることで過不足なく、信頼性ある連結決算の作成に貢献します。
まず必須となる機能は、子会社情報収集や連結財務諸表作成、次に連結予算作成となっており、この3つの機能があれば基本的な役割を果たせます。
また海外に子会社や連結対象会社がある場合は多言語・外貨・為替対応が必須になっており、必要に応じてIFRSも検討しておくと良いでしょう。
一定規模以上のグループ会社の場合は範囲連結やサブ連結ができれば、分野ごとの財務諸表把握に役立ちます。

まとめ

もちろんサポート体制も重要なポイントです。
連結決算制度は頻繁に変更される傾向があり、その都度アップデートするサービスであることが求められます。

最終更新日 2025年5月20日 by packet