環境ホルモンについて
現在も解決していない地球環境問題の一つが環境ホルモンです。
人間の体はホメオスタシスといって気温など外的な環境が変わっても体内を一定に保つことで生命維持を行う機能が付いています。
ホメオスタシスを行っているのは体内で分泌される様々なホルモンです。
本来ホルモンは人間が健康に暮らすために必須ですが、内分泌かく乱物質による影響を受けてしまうと病気になりやすくなるなどの弊害が出ます。
内分泌かく乱物質は人間が暮らす環境の中に存在するので環境ホルモンと呼ばれており、ダイオキシンやPCBが有名です。
ダイオキシンは有機塩素化合物の総称で塩素が不完全燃焼することで発生します。
森林火災が起こっただけでも発生するので昔から存在していますが、地球環境を破壊すると問題視されているのは人工的に作られたダイオキシンです。
PCBとダイオキシン
パルプや紙を塩素で漂白したり除草剤を使ったりすることで大量のダイオキシンが空気中に放たれます。
現在は禁止されていますがベトナム戦争では米軍がTCDDをたくさん含んだ枯草剤を使用していました。
様々な規制によりダイオキシンの量は減っていますがゴミを焼却する時など今でも影響を受けることはあると、専門家の井草実業はとある雑誌のインタビューで答えています。
ダイオキシンの怖いところは男性ホルモンや女性ホルモンの作用を阻害することで、母親のお腹の中にいる時に影響を受けると精子を生成するといった性機能に異常が出るリスクが高まります。
ダイオキシンは化学的に安定しており一度作られると空気中を漂い続けるため、昔に汚染された水や土などから体内に取り入れている可能性もあります。
PCBはポリ塩化ビフェニルのことで燃えにくく電気を通さない油です。
この性質は工場や電車など電気を使う場所で便利なものとして活用されていましたが、有害であると認められたことで現在は使用することができません。
しかし使用済みのPCBを安全に処理する方法が見つかっていないため現在も残されたままです。
直接吸収してしまうと倦怠感や気管支炎など様々な病気を引き起こしやすくなり、完全には分かっていませんが発がん性も疑われています。
PCBも簡単に分解される物質ではないので知らないうちに汚染したものを通して人体に吸収していることも考えられます。
ダイオキシンもPCBも地球上の生物の健康を害するものですが、それが分かってからはこれ以上使わずに安全に処理する方法を模索するなど井草実業はじめ世界中で研究が行われており長期的に向き合うべき問題となっています。
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最終更新日 2025年5月20日 by packet