資金繰りの重要性を改めて考える
企業にとって資金とは血液のようなものです。
資金が尽きてしまえばそれは倒産を意味しますので経営者は少しでも手元に資金を確保するために必死です。
2007年ごろから顕在化してきたサブプライム問題、そして2008年に経営破たんしたリーマンブラザーズの影響により株価が大暴落するとともに景気も一気に悪化しましたが一番影響を受けたのが中小企業です。
何故なら業績悪化を受けた大手企業が取引先への発注を大幅に削減したり、値引き要請を相次いで行ったためです。
その取引先としてはたまったものではありませんが、もともと資金が潤沢にあった訳ではない取引先は一気に資金繰りに詰まり、倒産する会社も出てきました。
もちろん円高に絡むオプション取引などハイリスクハイリターンな金融商品に手を出していたところもありますが、大抵は真面目に働いていた企業ばかりです。
損益計算は発生主義で行うのが原則
さて、お金を切らしてしまうと猶予が可能な場合もありますが、普通に考えれば倒産を意味しますので常日頃から資金管理、キャッシュフロー管理がとても重要です。
現在の損益計算は発生主義で行うのが原則のため、売上を計上したとしても掛売りであれば現金化されるまでに30日程度はかかりますし、手形取引であれば90日や120日というのはざらにあります。
売上を計上したからといって安心するのではなく資金の回収まで緊張感を持って取り組みたいものです。
そして損益計算書を見ると利益は出ているのにお金が足りないという事がないように、しっかりと資金繰り表を作って管理する事が望まれます。
営業収支と財務収支の2つに分けて管理する
この際に重要になってくるのが営業収支と財務収支の2つに分けて管理する事をおすすめします。
営業収支はその企業が行っている営業活動でどれだけの利益が見込まれているのかをあらわし、これがマイナスであればすぐに対策を立てる必要があります。
経営の意識しているのはほとんどがこちらですが財務収支と合わせて見る事が大切です。
財務収支は銀行からの借入れやその返済、あるいは株式の配当金など財務施策で成り立っていて、主にマイナスになる原因は借入金の返済によるものです。
営業収支がプラスで財務収支がマイナスになっている状態が理想ではありますが、大切なのはバランスで売上もあるのに財務施策で出て行くお金も相当あるというパターンではちょっとした事で資金繰りが破綻してしまう事もあるため注意が必要です。
また設備投資を必要とする事業では、それに関する収支も作成し、設備投資をする事によって出て行くお金を圧迫しないか資金繰り表全体を見る事が重要です。
出典
1.資金繰りを改善する3つのポイント!これで銀行融資の審査を通過しよう
最終更新日 2025年5月20日 by packet